2011/01/29

Wuthering Heights

Wuthering Heights 嵐が丘
Emily Bronteの嵐が丘は、何度も映像化され、ビノッシュ主演したものもあったかと記憶している。これはTV現代版リメーク(《狂情狂愛》)。ロック歌手、現代風の曲とクラシック音楽とをそれぞれワイルドな存在と優雅で教養のある人間の存在とを描き分ける。私から観れば、これはまた一つの文化的なヒエラルキー(Hierarchy, Hierarchie)の現われ。ロック音楽で換骨奪胎して、古典作品を一つの現代劇に仕上げた。しかし、そこにある設定はあまりにも非・現実的で、一人の女性をめぐって多くの男性が囲むという、劇的な設定。また、兄弟間の近親相姦的な要素もなにか古さを感じさせる。女性として自立したい、独立に目覚めながらもなにか不確かなものをいまだに心のなかに抱き、動揺する。それと、貧富の差。これがいまの格差社会と重なると言われもするかもしれないが、やはり一つの古典作品をどこまで現代的に生まれ変われさせていくかが監督の腕次第、と言わざるを得ない。

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