頭號公敵 Public Enemies(2009)
極道ロマンっていつから男のロマンになったのか? 警察物は本来、悪人を捉えるプロセスで観客を喜ばせるものだった。悪人を追う警察が命がけであることは自明のように見え、ときどきそのような当たり前のことはどこか光景に追いやられてしまうことがある。悪人を追う警察のロマン、そして悪事を働くがわのロマン、それぞれを描き分けてみせた本作である。フィルムの中に挿入された劇中劇もなかなか。クラークゲーブル主演の極道もの、悪を演じていい男として映じる。これが一時期かなり多くの映画の中に登場する。本作は30年代を背景としているが、現代を舞台とした作品にもしばしば登場するものであることを考えれば、このようなモチーフは、いまでもなお観客の心に響く何かがあるということだろうか。
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