舞妓哈哈哈

舞妓哈哈哈  舞妓Haaaan!!!(2007)
2012-4-13, 緯來電影。『舞妓Haaaan!!!』（2007）には私の好きな役者が二人出ている。堤真一、そして阿部サダヲ。特に阿部サダヲはこのなかでかなり自分の持ち味を生かし切った演技を見せてくれている。下積みの長いこの役者は、最初は小さな役しか与えられず、薄気味の悪い役柄が多く、しかも悪役がほとんどだった。その後、徐々に狂れ役で頭角を現し、また狂かれた性格のなかに愛嬌を隠れ味のように仕込ませ、時々鋭い目つきをきらりと光らせ、ある種の頭脳犯的な感性も忍ばせ、見応えのある演技に仕上げつつ、主役を担える役者として伸し上がった。今回の作品はまさにこれまでの彼の役作りの積み重ねによって大成した作品の一つとして見てよいなのではないかと思われる。堤真一はというとこれまで二枚目役として定着してきたが、本作では、二枚目役でありながら三前目の味わいも実にバランスよく織り込んで好演した。最後、二人揃って夢川踊りの舞台での「競演」は、軽やかながら、本当に楽しませてもらった一幕であった。〈舞妓〉に焦点を当てた映画であるにも関わらず、この映画は実は男を語った映画であるように思う。